南院の歴史と魅力
南院は奈良にある東大寺の「南院」に住んでいた子島真興僧都が建立した寺院です。
その歴史は古く、弘法大師空海が高野山を開山された時までさかのぼります。
南院のご本尊である波切不動明王は空海が唐に修行に行っていた先で創ったもので、空海が唐から日本に戻る際、玄界灘の荒ぶる海をこの仏像が治めたという逸話が残っているほど力の強いものと言われています。
さらにこのご本尊は平安時代に東大寺の南院から移されたと伝えられていますので、今から1000年前に南院も存在したと思われています。
その後ご本尊は、山外不出の秘仏とされ毎年6月28日のみ御開帳される習慣になっています。
寺院の建物は近代的な設備が揃っており、古めかしい雰囲気はありませんが、境内で天高く伸びている高野槙は樹齢500年、朴の木は樹齢300年と伝えられているので歴史があることに間違いはないでしょう。
ちなみに境内には昭和63年に奉納された仏舎利があります。これはスリランカのシロガマ・ヴィマーラ大僧正が南院で修行をしたご縁で建立されたものです。
仏舎利は2階構造になっており弥勒菩薩を中心に様々な仏教や山岳信仰の神々が描かれています。
南院の年中行事
出典:2016年6月28日放送「所さんのニッポンの出番!」より
南院の年中行事の中で特に注目したいのが先に紹介した秘仏である波切不動明王を御開帳する6月28日です。
高野山の中でも秘仏は沢山ありますが、この波切不動明王は空海自ら唐の国で彫って無事日本に着くことができた高野山全体の守り本尊です。
空海の生きた時代唐へ密入国するということはまさに命がけでした。
荒波すさぶ玄界灘を越えることができる船は神に守られた船だけであると言われるほど、貿易や外交は特別なことでした。
その頃安全な装備もないまま唐の国にたどり着き戻ってきたことは奇跡に近いと言えるでしょう。
歴史にもしもはありませんが、もしも空海が日本に帰ってこなければ高野山も教王護国寺も存在したかどうかわかりません。
そう言う意味で6月28日の御開帳は注目すべき年中行事の日と言えます。
南院に泊まろう!
南院の宿坊は6000坪の広大な敷地の中に2000坪の客殿が設置され、営業しています。
宿泊料金は一泊2食付きで9500円から13000円、昼食のみの利用は1000円から5000円の予算となっています。
チェックインは午後3時から、チェックアウトは午前10時とまるでホテルのような仕様になっています。
客室からは南院自慢の庭を見ることができるようです。また宿泊者限定で写経も体験できます。(要予約、別途1500円必要)
提供されるお食事は、三の膳の精進料理で他の宿坊同様、追加料金を払えばお酒などの飲料を嗜むこともできます。
大浴場は樹齢500年の高野槙を使っており、大変贅沢な造りとなっています。
高野山にある宿坊の中でも高い位置にあり朝早起きすれば朝日に輝く高野山の寺院の美しい眺めを見ることができるかもしれません。
南院基本情報
[su_gmap address=”高野山 南院”]住所 | 和歌山県伊都郡高野町高野山680 |
☎ | 0736-56-2534 |
FAX | |
URL | http://www.sea.sannet.ne.jp/namikiri-nanin/index.html |
収容人数 | 100名 |
駐車場 | 大型バスなら5台、乗用車なら30台 |
設備 | 大広間(大会場)車椅子用トイレ 茶室 大浴場 高野山関連書籍閲覧室 公衆電話車椅子貸し出し |